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池谷 裕二氏 講演会メモ

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脳科学者である前にストーリテラーだわこの人。

夕学五十講という慶應MCCが主催する講演会に、脳科学者の池谷 裕二氏が登壇するということで参加してみました。

脳はなにげに不公平 パテカトルの万脳薬
池谷裕二
朝日新聞出版 (2016–03–18)
売り上げランキング: 25,571

「未来の脳を考える」

私たちの判断や感情は無意識の世界に支配されています。つまり、無意識のカラクリを知っておくことは、よく生きることに直結します。当日は脳のしくみやヒトの感覚世界、そして近年成長著しい人工知能とヒトの脳の未来について考えたいと思います。

via:『夕学五十講』講師紹介ページ

以下参加メモです。

人類の高齢化

高年齢化に向けて、日本の未来を考えていきたい。
日本人の平均寿命は男性が80歳、女性が87歳だが、実はこの平均寿命には意味が無い。なぜなら不慮の事故や病気などで若く亡くなる人が平均寿命を下げていて、半分以上の人は平均寿命以上に生きるから。

大事なのは「中央値」。中央値とは「日本人の平均寿命まで生きられる確率」のことで、日本の女性の中央値は90歳。この数値は昔の医療技術で90年生きるということ。今の医療技術だと、2007年に生まれた子供の中央値は107歳という研究結果が出ている。

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ソース:Human Mortality Database, University of California, Berkeley (USA) and Max Planck Institute for Demographic Research (Germany). Available at www.mortality.org

脳で脳を考えるおもしろさ

気が利くと気が利かないの差とは?

自分が気が利く人なのか、気が利かない人なのかは当人は知ることができない。なぜなら、正しいか間違っているかは「自分の常識=自分が生きている基準」だから。

脳に伝わる各種センサーについて

そもそも人が世界を見ることができるのは目があるから。でも目だけでは「見えない」。様々な実験から、実際に運動経験をしないと「見える」状態にはならない。まったく運動させなかったサルは「見え」ることができなかった。

人によって色の感じ方も違う。「赤」といっても人によって赤の色は変わる。目の色を感じるセンサーは中央にしかないため、視野の隅は色を感じることができない。でも実際には視野全体に色を感じている。それは目から伝わった情報に脳が補完しているから。景色が非常になめらかに見えるのも実際には脳が補完しているから。つまり実際に感じている色は「幻覚」なのである。

人間の目に備わっている色のセンサーは赤、緑、青の三原色。目から脳に伝わる情報はこの三原色が伝わり、脳で色を混ぜることで様々な色を再現させている。生き物の中でもっとも色のセンサーが多いのがシャコで12種類。しかし実験してみると、シャコは白黒でしか見えていないことが分かった。これは、脳の中で色を混ぜることができないため、実際には白黒でしか見えていない。
つまりこの世界は脳の解釈によってできている。

進化しすぎた脳

人の目は可視光線しか見えない。紫外線や赤外線は見ることができない。逆に鳥や虫は紫外線を見ることができる。鳥が見えて人には見えない理由は、紫外線を見るためのセンサーが人には無いため。もし紫外線や赤外線を見ることが出来れば、その情報が脳に伝わって識別することができる。つまり、脳の能力は身体の状態で制限されている。

過去の実験で磁場センサーをネズミの脳に取り付けたところ、すぐに磁場センサーを活用してエサを見つけることができた。つまり脳は進化しているが身体が追いついていない、「進化しすぎた脳」だということ。

2045年 シンギュラリティ問題

シンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事のこと。人類が人工知能と融合し、人類の進化が特異点(成長曲線が無限大になる点)に到達することのことで、それは2045年に起こるとレイ・カーツワイル氏が提唱している。

シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき
レイ・カーツワイル
NHK出版
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そうなると、仕事を45%がAIに奪われてしまうとも言われている。

日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に | 野村総合研究所(NRI)

原文(PDF)

執筆や作曲、画家などのクリエイティブな仕事は人にしか出来ないと思われがちだが、これらは既にAIを使って人以上の成果を出してきている。その他にも、「カウンセリング」「気遣い」「気が利く」ような仕事も人よりもAIの方が優れていると言われている。

ではいったい人にしかできないことは何だろうか?

今まではサルと人を比べていれば良かったが、これからはAIと人を比べる時代がやってくる。

2017年は量子コンピュータ元年

2017年は量子コンピュータ元年と言われている。量子コンピュータは組み合わせ計算が得意なので、囲碁や将棋、チェスなどの組み合わせを計算するゲームが得意。

すでに人工知能の内部の計算はもはや人間が理解出来ないほどに複雑になっている。もし、人工知能の能力を上げるために、人が人工知能をカスタマイズしようとした場合、それは改悪であり逆に性能を奪う結果になる。つまり、人はコンピュータにとってウイルスになるだろう。今後、人工知能のカスタマイズは人工知能が行う時代がやってくる。これこそがシンギュラリティ。しかしAIが人を支配する時代がくるかというとそんなことはないと思っている。なぜなら人にとってシンギュラリティが生じたら、それは困ることであり、人工知能は無用の長物になるから。

AIは本当にすごいのか?

人工知能の中でも最近注目されている「ディープラーニング」の原理は、人の脳と同じ「ニューラルネットワーク」という考え方。ニューラルネットワークは、複数の入力データを受け取って出力を行う単純な関数が、複雑に繋がりあった形をとっている。人間の脳も単純なニューロンの組み合わせによって高度な認識・思考を行っている。

人工知能という言葉だけだと「何か凄そう」と思うけど、中身は実は対したことはやっていない。

この世に脳は必要なのか?

地球上の生物の中で、脳を持っている生き物は全体の0.13%しかいない。脳を持っていると、脳を動かすために沢山のエネルギーも必要になるし、脳を持っていない生き物の方が実ははるかに快適だったりする。ではなぜ人は脳を持ったのか?

これは、「なぜ宇宙に生命が存在するのか」という話に通じる。


Amazonのジェフ・ベゾスが株主に向けたメッセージが素晴らしかったので意訳してみた。

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Amazonのジェフ・ベゾスが株主に向けたメッセージがとても興味深かったので意訳してみました。ビジネスの成功で巨大になったAmazonが、俗に言う「大企業病」に陥らないための考え方が、シンプルに語られていてとても素晴らしいと感じました。日本の大企業とは真逆の考え方なのも、とても興味深いです。

【原文】About Amazon – 2016 Letter to Shareholders

2016 Letter to Shareholders

“Jeff, what does Day 2 look like?”

That’s a question I just got at our most recent all-hands meeting. I’ve been reminding people that it’s Day 1 for a couple of decades. I work in an Amazon building named Day 1, and when I moved buildings, I took the name with me. I spend time thinking about this topic.

“Day 2 is stasis. Followed by irrelevance. Followed by excruciating, painful decline. Followed by death. And that is why it is always Day 1.”

To be sure, this kind of decline would happen in extreme slow motion. An established company might harvest Day 2 for decades, but the final result would still come.

I’m interested in the question, how do you fend off Day 2? What are the techniques and tactics? How do you keep the vitality of Day 1, even inside a large organization?

Such a question can’t have a simple answer. There will be many elements, multiple paths, and many traps. I don’t know the whole answer, but I may know bits of it. Here’s a starter pack of essentials for Day 1 defense: customer obsession, a skeptical view of proxies, the eager adoption of external trends, and high-velocity decision making.

「ジェフ、Day 2[1]はどのように見えますか?」

先日の全社会議でこのような質問がありました。私は社員に「毎日がDay 1[2]である」と言い続けてきました。私のオフィスはどこに移転しても「Day 1」という名称だし、このテーマについていつも考えています。

Day 2とは停滞であり、存在感は失われ、苦しみと衰退が続き、やがて死がやってきます。だからこそ常に「Day 1」であり続けなければいけません。

この問題はゆっくりと会社を蝕んでいきます。Day 2になってからも何十年にもわたり、利益を出している会社もあるかもしれませんが、最終的な結果はこれから先に見えてくるでしょう。

私はこれらの質問に興味があります。

  • あなたはどのようにDay 2かわすのですか?
  • そのための戦略と戦術は何ですか?
  • どのようにDay 1の活力を、大企業でも維持するのですか?

これらの質問には簡単な答えはありません。多くの要素や複数のパス、たくさんの罠が存在するでしょう。私は全体の答えは知りませんが、断片であれば答えを知っているかもしれません。Day 1でありつづけるための4つのアイデアを紹介します。

True Customer Obsession

There are many ways to center a business. You can be competitor focused, you can be product focused, you can be technology focused, you can be business model focused, and there are more. But in my view, obsessive customer focus is by far the most protective of Day 1 vitality.

Why? There are many advantages to a customer-centric approach, but here’s the big one: customers are always beautifully, wonderfully dissatisfied, even when they report being happy and business is great. Even when they don’t yet know it, customers want something better, and your desire to delight customers will drive you to invent on their behalf. No customer ever asked Amazon to create the Prime membership program, but it sure turns out they wanted it, and I could give you many such examples.

Staying in Day 1 requires you to experiment patiently, accept failures, plant seeds, protect saplings, and double down when you see customer delight. A customer-obsessed culture best creates the conditions where all of that can happen.

ビジネスにおいて、何を一番重視するかは様々です。競争相手だったり、プロダクトだったり、テクノロジーだったり、ビジネスモデルだったり。しかし私の見解では、顧客満足への執着こそが、Day 1でありつづけるために重要なことだと考えます。

それは何故か?顧客中心のアプローチには多くのメリットがありますが、ここでは大きなポイントがあります。顧客は、常に何かに不満を持っていて、必ずしもその不満を報告するとは限りません。その不満を彼らが要求する前にAmazonプライムメンバーシッププログラムを提供する、そんな企業であるべきだと思います。

Day 1にとどまるには、辛抱強く検証し、失敗を受け入れ、種を植え、苗木を保護し、顧客の喜びをイメージすること。そうすることで、「顧客満足への執着」は育まれます。

Resist Proxies

As companies get larger and more complex, there’s a tendency to manage to proxies. This comes in many shapes and sizes, and it’s dangerous, subtle, and very Day 2.

A common example is process as proxy. Good process serves you so you can serve customers. But if you’re not watchful, the process can become the thing. This can happen very easily in large organizations. The process becomes the proxy for the result you want. You stop looking at outcomes and just make sure you’re doing the process right. Gulp. It’s not that rare to hear a junior leader defend a bad outcome with something like, “Well, we followed the process.” A more experienced leader will use it as an opportunity to investigate and improve the process. The process is not the thing. It’s always worth asking, do we own the process or does the process own us? In a Day 2 company, you might find it’s the second.

Another example: market research and customer surveys can become proxies for customers – something that’s especially dangerous when you’re inventing and designing products. “Fifty-five percent of beta testers report being satisfied with this feature. That is up from 47% in the first survey.” That’s hard to interpret and could unintentionally mislead.

Good inventors and designers deeply understand their customer. They spend tremendous energy developing that intuition. They study and understand many anecdotes rather than only the averages you’ll find on surveys. They live with the design.

I’m not against beta testing or surveys. But you, the product or service owner, must understand the customer, have a vision, and love the offering. Then, beta testing and research can help you find your blind spots. A remarkable customer experience starts with heart, intuition, curiosity, play, guts, taste. You won’t find any of it in a survey.

企業はビジネスが大きく、複雑になるにつれて、ルールやプロセスを作ります。しかしこの流れは微妙で危険だし、Day 2に近付く行為となります。

それは、ルールやプロセスを作ることが目的になってしまうからです。一般的にルールやプロセスは顧客のためになります。しかし大企業では本来の目的をはき違えてしまいます。ルールやプロセスは本来の目的を達成するための手段でしかありません。若いリーダーが失敗した時に自分を守るためにプロセスを使うこともあるでしょう。プロセスは目的ではありません。私たちはプロセスを所有しているのでしょうか?それともプロセスが私たちを所有しているのでしょうか?

もう一つの例として、市場調査や顧客調査の結果がプロセスになってしまう可能性もあります。特に製品を開発するときに注意が必要です。ベータテスターの結果が、55%がこの機能に満足していると報告があったとしても、この数字は単なる指標でしかなく、意図しない誤解を招く可能性があります。

Embrace External Trends

The outside world can push you into Day 2 if you won’t or can’t embrace powerful trends quickly. If you fight them, you’re probably fighting the future. Embrace them and you have a tailwind.

These big trends are not that hard to spot (they get talked and written about a lot), but they can be strangely hard for large organizations to embrace. We’re in the middle of an obvious one right now: machine learning and artificial intelligence.

Over the past decades computers have broadly automated tasks that programmers could describe with clear rules and algorithms. Modern machine learning techniques now allow us to do the same for tasks where describing the precise rules is much harder.

At Amazon, we’ve been engaged in the practical application of machine learning for many years now. Some of this work is highly visible: our autonomous Prime Air delivery drones; the Amazon Go convenience store that uses machine vision to eliminate checkout lines; and Alexa,1 our cloud-based AI assistant. (We still struggle to keep Echo in stock, despite our best efforts. A high-quality problem, but a problem. We’re working on it.)

But much of what we do with machine learning happens beneath the surface. Machine learning drives our algorithms for demand forecasting, product search ranking, product and deals recommendations, merchandising placements, fraud detection, translations, and much more. Though less visible, much of the impact of machine learning will be of this type – quietly but meaningfully improving core operations.

Inside AWS, we’re excited to lower the costs and barriers to machine learning and AI so organizations of all sizes can take advantage of these advanced techniques.

Using our pre-packaged versions of popular deep learning frameworks running on P2 compute instances (optimized for this workload), customers are already developing powerful systems ranging everywhere from early disease detection to increasing crop yields. And we’ve also made Amazon’s higher level services available in a convenient form. Amazon Lex (what’s inside Alexa), Amazon Polly, and Amazon Rekognition remove the heavy lifting from natural language understanding, speech generation, and image analysis. They can be accessed with simple API calls – no machine learning expertise required. Watch this space. Much more to come.

外部の大きな変化を素早く受け入れることができない場合、すぐにDay 2の企業になってしまいます。それを防ぐには未来と戦っていかなければいけません。

これらの大きな変化を見つけることは難しいことではありませんが、大規模な組織がその変化に対応することは難しいです。最近の大きな変化として、機械学習と人工知能があります。

過去数十年にわたり、コンピュータはプログラマが明確なルールとアルゴリズムを記述して自動化されたタスクを自動していました。近年の機械学習では、我々が正確なルールを記述することができないようなタスクについても、機械学習を使って同じようなことができるようになりました。

Amazonでは、長年機械学習の実用化に取り組んできました。その成果の一部として、配達用ドローンやAmazon go、Alexa、クラウドベースのAIアシスタントなどがあります。

しかし、機械学習で行うことの多くは水面下で動作しています。需要予測や製品検索ランキング、おすすめ商品の紹介、不正検出、翻訳などのアルゴリズムで使用されています。目には見えませんが、機械学習の影響の多くは、中核機能の改善に大きく役立っています。

AWSでは機械学習やAIのコストや障壁を低くすることで、あらゆる組織がこれらの高度な技術を活用できるようになりました。

コンピュータインスタンス上で実行されるディープラーニング・フレームワークをあらかじめパッケージ化しておくことで、顧客は疾病検出から作物収量の増加などのあらゆるシステム開発に利用することができます。Amazon LexやAmazon Polly、Amazon Rekognitionは、自然言語の理解、音声生成、画像解析などの開発コストを低減することができます。機械学習の専門知識は必要ありません。簡単なAPIの呼び出しでアクセスできます。

High-Velocity Decision Making

Day 2 companies make high-quality decisions, but they make high-quality decisions slowly. To keep the energy and dynamism of Day 1, you have to somehow make high-quality, high-velocity decisions. Easy for start-ups and very challenging for large organizations. The senior team at Amazon is determined to keep our decision-making velocity high. Speed matters in business – plus a high-velocity decision making environment is more fun too. We don’t know all the answers, but here are some thoughts.

First, never use a one-size-fits-all decision-making process. Many decisions are reversible, two-way doors. Those decisions can use a light-weight process. For those, so what if you’re wrong? I wrote about this in more detail in last year’s letter.

Second, most decisions should probably be made with somewhere around 70% of the information you wish you had. If you wait for 90%, in most cases, you’re probably being slow. Plus, either way, you need to be good at quickly recognizing and correcting bad decisions. If you’re good at course correcting, being wrong may be less costly than you think, whereas being slow is going to be expensive for sure.

Third, use the phrase “disagree and commit.” This phrase will save a lot of time. If you have conviction on a particular direction even though there’s no consensus, it’s helpful to say, “Look, I know we disagree on this but will you gamble with me on it? Disagree and commit?” By the time you’re at this point, no one can know the answer for sure, and you’ll probably get a quick yes.

This isn’t one way. If you’re the boss, you should do this too. I disagree and commit all the time. We recently greenlit a particular Amazon Studios original. I told the team my view: debatable whether it would be interesting enough, complicated to produce, the business terms aren’t that good, and we have lots of other opportunities. They had a completely different opinion and wanted to go ahead. I wrote back right away with “I disagree and commit and hope it becomes the most watched thing we’ve ever made.” Consider how much slower this decision cycle would have been if the team had actually had to convince me rather than simply get my commitment.

Note what this example is not: it’s not me thinking to myself “well, these guys are wrong and missing the point, but this isn’t worth me chasing.” It’s a genuine disagreement of opinion, a candid expression of my view, a chance for the team to weigh my view, and a quick, sincere commitment to go their way. And given that this team has already brought home 11 Emmys, 6 Golden Globes, and 3 Oscars, I’m just glad they let me in the room at all!

Fourth, recognize true misalignment issues early and escalate them immediately. Sometimes teams have different objectives and fundamentally different views. They are not aligned. No amount of discussion, no number of meetings will resolve that deep misalignment. Without escalation, the default dispute resolution mechanism for this scenario is exhaustion. Whoever has more stamina carries the decision.

I’ve seen many examples of sincere misalignment at Amazon over the years. When we decided to invite third party sellers to compete directly against us on our own product detail pages – that was a big one. Many smart, well-intentioned Amazonians were simply not at all aligned with the direction. The big decision set up hundreds of smaller decisions, many of which needed to be escalated to the senior team.

“You’ve worn me down” is an awful decision-making process. It’s slow and de-energizing. Go for quick escalation instead – it’s better.

So, have you settled only for decision quality, or are you mindful of decision velocity too? Are the world’s trends tailwinds for you? Are you falling prey to proxies, or do they serve you? And most important of all, are you delighting customers? We can have the scope and capabilities of a large company and the spirit and heart of a small one. But we have to choose it.

A huge thank you to each and every customer for allowing us to serve you, to our shareowners for your support, and to Amazonians everywhere for your hard work, your ingenuity, and your passion.

As always, I attach a copy of our original 1997 letter. It remains Day 1.

Sincerely,

Jeff

Day 2の企業であっても、質の高い決断をしますがそれは時間をかけて行います。Day 1の企業であれば、エネルギーとダイナミズムを維持するために、高品質で高速な意思決定を行う必要があります。それは大企業な組織であるほど困難なことです。Amazonのシニアチームは、意思決定をスピードを常に意識し保つ努力をしています。ビジネスにおいて、質の高い決断を素早くする環境は楽しいものです。そのためには以下のようなアイデアがあります。

まず、決してすべての意思決定プロセスを踏むことはやめましょう。決断を行う場合は、できるだけ軽量なプロセスを踏むようにします。それでもし間違った決断をしたらどうするか?それは、昨年のレターで詳しく書いています。

二つ目として、ほとんどの決断に必要な情報量は70%程度で十分です。90%の情報が集まるまで決断を先延ばしするには遅すぎます。また、どちらの決断をするにしても、間違った決断をしたことが分かったら、素直に認めて軌道修正することが重要です。この軌道修正は早ければ早いほどコストがかかりません。

三つ目として、「同意は出来ないが全面的にコミットする」ことが多くの時間とコストを節約することになります。コンセンサスがなくてもその決断に確信がある場合は、「私はこれには同意しませんが、私と一緒に賭けてみませんか?disagree and commit?」と言える文化です。この時点で誰も答えを知らないですが、おそらくみんな「はい」と答えるでしょう。

あなたが上司であれば「反対してコミットする」ことも行うべきです。私たちは最近、Amazon Studiosというプロジェクトを進めています。私はチームにプロジェクトを進めるための見解を伝えています。それは、それが面白いかどうか、生産するのが複雑かどうか、ビジネスとして成り立つかどうか。そこにはもちろん議論の余地があります。私はすぐに「私は同意していないが、そのプロジェクトが今までに見た中で最も注目されることを願っています」と伝えました。もしチームが私のコミットメントを得るのではなく、私を納得させなければならないとしたら、どれほどの時間がかかったかを想像してみてください。

私自身、「これらの人はポイントを見誤っていて、追いかける価値はない」とは考えていません。チームとして成功するためにとった誠実な行動の結果です。その結果、チームは11のエミー賞、6つのゴールデングローブ賞、3つのアカデミー賞を持ち帰ることができました。

四つ目として、認識違いの問題を早期に認識し、直ちにエスカレートさせることです。時にはチームの目的が異なり、根本的に見解が違う場合があります。議論の量やミーティングの数は解決にはなりません。エスカレーションなしでは、解決に至ることはできません。

私は何年もの間、Amazonでの間違った決断を見てきました。私たち自身の製品詳細ページ上で、私たちに対して直接競合するサードパーティの売り手を招待することを決定したことは大きな決断でした。多くのAmazoniansにとっては望んだことではありませんでした。大きな決定は何百もの小さな決定から作られました。その多くはシニアチームにエスカレートする必要がありました。

あなたは意思決定の質だけに気を配っているのでしょうか?それとも意思決定の速度にも気を配っていますか?世界のトレンドはあなたにとって追い風でしょうか?あなたはルールやプロセスにこだわっていますか?それともルールやプロセスを手段として使っていますか?そして最も重要なのは、お客様は喜んでいますか?私たちは大企業としての能力と、小さな会社の精神と心を持つことができます。

皆様のご協力と株主の皆様へのサポート、そしてAmazonの皆様の努力、独創性、情熱のために、お客様一人一人に大きな感謝の意を表します。

いつもと変わらず、1997年時のレターを添付します。今でもDay 1のままです。

Sincerely,

Jeff


  1. Day 2とは、常にベンチャーであり続けたいという意思が込められています。  ↩

  2. 大企業病にかかった企業を意味しています。  ↩

あるべきキックオフミーティングの姿に向けて事前に検討しなければいけないことリスト

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プロジェクトやワーキンググループの開始時や、会社組織の期初などに行われるキックオフミーティング。無駄に冗長だったり、内容の無いことを延々と聞かされた経験は無いでしょうか?

そもそもキックオフミーティングとは?

「キックオフ」とはその名の通り、サッカーの試合開始を意味するもの。つまりプロジェクトなどを始動させるために行うミーティングのことで、プロジェクトやビジネスを成功へ導くために、メンバーと使命感や一体感を共有する場のことです。

そのためキックオフミーティングで、プロジェクトの概要やワーキンググループの進め方、今年度の売り上げ目標などを説明するだけでは、本来の目的を達成したとは言えません。メンバーの不安を解消したり、モチベーションを強化させたり、ゴールを共有するなど、チームの一体感を醸成させることが目的です。

そこで「あるべきキックオフミーティングの姿」に向けて、「事前に検討しなければいけないことリスト」を作成してみました。

これらの質問や課題を事前に検討し、アウトプットした答えをキックオフ資料に落とし込むことで、「あるべきキックオフミーティング」に近づけることを目的としています。

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事前に検討しなければいけないことリスト

  • 我々はなぜここにいるのか?
  • 我々はどこに向かうのか?
  • やるべきではないことは?
  • 巻き込むべき人は?
  • ゴール到達のための策は?
  • ゴール到達を拒む、夜も眠れない問題は?
  • ゴールに到達するための期間は?
  • 何を諦めるのか?

※これらのリストはβ版で、常に改善するために追記/修正をしています。

我々はなぜここにいるのか?

我々チームあるいは部門がなぜ存在しているのか?誰になにを提供するために存在するのか?を改めて確認します。我々の立ち位置を確認することで、組織の目的が明確になります。検討する上で「顧客」、「会社」そして「競合」の3Cの視点を考慮するようにしましょう。

顧客の規模やニーズを考慮しつつ、自社の強み/弱みやビジョン/ミッションに沿った内容になっているかどうか、必要によって競合に打ち勝つための差別化要素があるかどうかも考慮にいれます。

我々はどこに向かうのか?

組織が存在する意味を考えた後に、我々組織はどこに向かうべきか?どこを目指すのか?を確認します。これは組織のメンバー全員が誰一人迷うことなくゴールへと向かうための道しるべを指し示す必要があるためです。

「どう変わりたいのか」を漠然とではなく、具体的に落とし込むようにします。

やるべきではないことは?

ゴールに向かうために「やるべきこと」を検討することは多いですが、「やるべきではないこと」を決めておくことはとても大事です。やるべきではないことを明確にしておくことで、メンバー内で目指すべき方向をはっきりと共有することができます。

巻き込むべき人は?

プロジェクトや組織のメンバーを決めることができるなら、引き入れたいメンバーを検討します。既にメンバーが決まっているのなら、それ以外の巻き込みたい関係者を検討しておきます。プロジェクトが進んでから巻き込んでも、巻き込まれた方も迷惑するかもしれないので、最初から巻き込んでおくようにします。

ゴール到達のための策は?

ゴールに到達するために実施する具体的なアクションを検討します。具体的なアクションは「6W1H」で考えると思考がすっきりします。

「何を(What)」「いつまでに(When)」「誰が(Who)」「誰と(Whom)」「どこで(Where)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」

ゴール到達を拒む、夜も眠れない問題は?

ゴール到達を拒むかもしれないリスクを書き出しておきます。プロジェクトが失敗してから反省会をすることも大事ですが、事前にリスクを洗い出し、メンバーと共有してリスクに備えるようにします。

ゴールに到達するための期間は?

全体のスケジュール感を全メンバーに共有するために、スタートからゴールまでを見通せる「ざっくりスケジュール」を作成します。

何を諦めるのか?

やりたいこと全部できるなら言うことなしですが、スケジュールやコストの兼ね合いで諦めなければいけないことがでてきます。「このプロジェクトではなにを諦めるのか?」を始めに明確にしておくことも大事です。

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さいごに

繰り返しますが、このリストは永遠にβ版です。今後も定期的にリストを見直し、追記や変更を繰り返し、常に最善のリストにすることを目指しています。

参考文献

アジャイルサムライ−達人開発者への道−
Jonathan Rasmusson
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HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント
アンドリュー・S・グローブ
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チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ
エイミー・C・エドモンドソン Amy C. Edmondson
英治出版
売り上げランキング: 10,144

テクノロジー幹部が本棚に置くべき13冊の書籍

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フォーブスに「13 Books Technology Executives Should Have On Their Shelves(テクノロジー幹部が本棚に置くべき13冊の書籍)」という記事がありましたので紹介します。

Continuing education is important, and while there are a lot of trade journals and keynote speakers to help highlight the latest trends, they’re not the only source of perspective.

via:13 Books Technology Executives Should Have On Their Shelves

銀河ヒッチハイク・ガイド(ダグラス・アダムス著)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
ダグラス・アダムス
河出書房新社
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ダグラス・アダムスの常識にとらわれない知恵の最大のコレクションである「銀河ヒッチハイク・ガイド」を手元に置いている。この本にはテクノロジーとイノベーションのついて学んだ最も重要な教訓が含まれている。それは、あなたが正しい質問をしていない場合、解決策は何も意味がないということだ。

人月の神話(フレデリック・フィリップス・ブルックス著)

人月の神話【新装版】
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Jr FrederickP.Brooks
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40年以上前に出版されたほとんどの技術書は古くて役に立たなくなる。しかし、フレッド・ブルックスの個展で開発チームを管理するための教訓は、「人月の神話」がその1つではないことを保証する。本書では、IBMの教訓を詳細に説明し、ソフトウェアチームを管理する技術幹部が何十年もコミットしてきた多くの一般的な間違いを回避するのに役立つ。

ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果(ゲアリー・ケラー, ジェイ・パパザン著)

ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果
ゲアリー・ケラー Gary Keller ジェイ・パパザン Jay Papasan
SBクリエイティブ
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2017年には、電子メール、テキスト、ソーシャルメディアなど、コミュニケーションの余地がある。経営陣として、その混乱は10倍である。ゲイリー・ケラーとジェイ・パパサンの著書、「ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果」は、達成し続けるために焦点を当てる方法を文書化しています。 チームを実用的な目標に合わせることが私たちの仕事です。

発想の法則―物事はなぜうまくいかないか(ジョン・ゴール著)

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John gall
Pocket
発想の法則―物事はなぜうまくいかないか (1978年)
ジョン・ゴール
ダイヤモンド社
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70年代からのシステムの格言の要約で、この皮肉まじりのシステム理論の批判は逆説的ではあるが、複雑なシステムを構築するという観点で洞察力のある見通しを提供する。 テクノロジー、テクノロジー組織、さらにはビジネスに携わる人々にとって、ジョン・ゴールの本書は多くの人にとって真実であると感じる。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か(エリヤフ・ゴールドラット著)

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ・ゴールドラット
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 748

厳密には技術書ではないが、プロセス最適化に関する教訓は時代を超越しており、新しい領域にも簡単に適用できる。エリヤフ・ゴールドラットの本書は、新しい形態のいくつかの基本的プロセス技術を解説する非常に素晴らしい仕事をしている。この小説は、多くのMBAプログラムで正当な理由で読む必要がある。深いレベルですでにこれらのことを理解している人々でさえ、この書籍に感謝するだろう。

Elon Musk: Elon Musk’s Best Lessons For Life, Business, Success And Entrepreneurship (Andrew Knight著)

Elon Musk’s Best Lessons for Life, Business, Success and Entrepreneurship
Andrew Knight
Createspace Independent Publishing Platform

本書は素晴らしい読書であり、日々の技術リーダーシップの責任の中で実践的なアドバイスを提供する。

How to Create a Mind: The Secret of Human Thought Revealed(レイ・カーツワイル著)

How to Create a Mind: The Secret of Human Thought Revealed
Duckworth Overlook (2013–02–28)

本書は、技術の世界に携わる皆が所有すべき本である。脳のリバースエンジニアリングに始まり、アルゴリズムの深い理解と、この知識がどのように機械知能の創造に貢献するかを掘り下げる。本書は、技術業界が目指す人工知能を網羅しており、必須としている。

Hacking Innovation: The New Growth Model From The Sinister World Of Hackers(ジョシュ リンクナー著)

業界を問わず、あらゆるテクノロジー部門の幹部は、本書を読むべき。テクノロジー幹部として、私たちはITの世界にかなり精通していると確信しているが、ビジネス上の問題を解決する方法についてもっと創造的に考えることができる。本書は、ハッキング・マインドセットの肯定的な特性を活用して、貴社の意味のある結果を導く方法を教えてくれる。

誰のためのデザイン? – 認知科学者のデザイン原論(ドナルド・ノーマン著)

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
D. A. ノーマン
新曜社
売り上げランキング: 15,326

ドアノブや蛇口のような簡単な例を使用して、本書はユーザーの採用にとってデザインが重要な理由を具体例を使って示している。直感的なデザインとは、技術者以外の人達のための製品を作成する際に、あらゆる技術担当者が念頭に置いておくべきことである。

Enterprise Architecture As Strategy: Creating a Foundation For Business Execution By Jeanne W. Ross, Peter Weill(David Robertson著)

本書は、ビジネスの理解を通じてテクノロジー部門をどのように運営するかについて書かれた優れた青写真である。ビジネスの運用モデルの合意を得て、コア・ダイアグラムを開発することで、組織内の相手との会話を変えることができる。

セキュリティはなぜやぶられたのか(ブルース・シュナイアー著)

セキュリティはなぜやぶられたのか
ブルース・シュナイアー
日経BP社
売り上げランキング: 338,772

本書は、セキュリティの優先順位、避けるべき落とし穴、そして最も重要なのは、スタンドアローンのセキュリティソリューションとしてテクノロジーに過度に依存しているという健全な懐疑論に関すて著者の視点からの語っている。9/11以降の世界では、テクノロジー幹部にとってこのコアの問題について、冷静で実用的な議論を提供している。

Radical Candor: Be A Kick-Ass Boss Without Losing Your Humanity(Kim Scott著)

Radical Candor
Radical Candor
posted with amazlet at 17.05.29
Kim Scott Malone
Macmillan
売り上げランキング: 25,431

あなたがKim Scottの新しい本を読んでいないなら、あなたは逃している! スコットは、Google、Apple、Twitterなどの大手テクノロジー企業の逸話や教訓を紹介している。私は本書からより良い上司になる方法と私たちの全チームがより深いレベルでつながる手助けをする方法について多くのことを学んだ。

WHYから始めよ!- インスパイア型リーダーはここが違う(サイモン・シネック著)

WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う
サイモン・シネック
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 1,476

本書は必読の本である。技術者として、私たちは本当に理由を理解するのではなく、問題を解決する方法を考えている。シネックは、歴史の中で最大の影響を与えた人や革新者が、メッセージ、動き、製品の根本的な目的を最初に熟考したと主張している。私たちは同じことをするように警告しています。

セキュリティ・ポリシーを記述できる「security.txt」の草案をIETFに提出

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Web管理者がサイトのセキュリティ・ポリシーを記述できる「security.txt」の標準化を求める草案をIETFに提出したらしいです。

Ed Foudil, a web developer and security researcher, has submitted a draft to the IETF — Internet Engineering Task Force — seeking the standardization of security.txt, a file that webmasters can host on their domain root and describe the site’s security policies.

via:Security.txt Standard Proposed, Similar to Robots.txt

security.txtをドメインルートにホストすることで、Webサイトにセキュリティ上の脆弱性を発見した場合に、問題を管理者に安全に報告するための情報を入手することができるようで、IETFドラフトによると、以下のようなsecurity.txtを作成可能らしい。

#This is a comment
Contact: security@example.com
Contact: +1-201-555-0123
Contact: https://example.com/security
Encryption: https://example.com/pgp-key.txt
Acknowledgement: https://example.com/acknowledgements.html
Disclosure: Full

このファイルは、Webおよび検索エンジンのクローラのポリシーを定義および定義するためにWebサイトによって使用される標準であるrobots.txtに似ています。

取り組みとしては素晴らしいなと思う反面、いくつか課題もある気がします。

1つめは、スパマーがメールアドレスや電話番号などを集めるためのツールになるリスク。書かれているアドレスや電話番号はWeb管理者宛なので、セキュリティ製品のスパムがわんさか届きそう。

2つめは、脆弱性の連絡なんか欲しくない管理者もそれなりにいると思うので、彼らはsecurity.txtなんで置かないんじゃないかと。

これらの課題に対する対応もきちんと整理しないと難しいんじゃ無いかというのが第一印象です。

Cisco資格再認定でロゴ入りのどら焼きが貰えるらしい

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mikasayama3

Ciscoの資格(CCNA、CCNP、CCIE)の再認定を行うとログ入りのどら焼きがもらえるキャンペーンを実施しているようです。

シスコ技術者認定 再認定キャンペーン 2017

なぜどら焼きなのかは不明ですが、Ciscoの試験費用は高いので貰えるものは貰っておいた方が良いので、Cisco資格の再認定を予定している方は応募してみてはいかがかと。

CCNAの再認定だと3個、CCNPで6個、CCIEだと9個入りのどら焼きが貰えるっぽい。

ソフトウェア2.0 –機械学習の進歩がソフトウェア業界にどのような影響について

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機械学習の進歩がソフトウェア業界にどのような影響を及ぼすのかについて、TeslaのDirector of AIのAndrej Karpathy氏がSoftware 2.0というワードを使って説明しています。

Neural networks are not just another classifier, they represent the beginning of a fundamental shift in how we write software. They are Software 2.0.

via:Software 2.0 – Andrej Karpathy – Medium

私はインフラエンジニアなので、コードをガシガシ書いているわけではないのですが、それでも以前よりはコードを書くようになったし、そのうちインフラエンジニアもシステムエンジニアも同じカテゴリに融合されていく未来が見えていて、そういう意味でもソフトウェア業界の未来については追っかけていきたい所存。

んで、この記事はそんなソフトウェア業界の未来についてとてもまとまっていて納得感のある記事でしたので、意訳を交えながら書いてみます。

以下はソフトウェア2.0に関する説明の超意訳です。

私はときどき人々がニューラルネットワークを単に「機械学習の中の1つのツール」と呼んでいることを知っています。残念なことに、この解釈は完全に「木を見て森を見ず」だと言えるでしょう。ニューラルネットワークは単なる分類器ではなく、ソフトウェアの作り方を根本的に変えてしまうという大きな変化の始まりを表しています。この考えこそがソフトウェア2.0です。

ソフトウェア1.0の「古典的なスタック」は、みんながよく知っているように、Python、C ++などの言語で書かれています。これらはコンピュータへの明示的な指示をプログラマーが書くという作業を行っています。コードの各行を記述することによって、プログラマはプログラム空間内のポイントを特定しています。

対照的に、ソフトウェア2.0はニューラルネットワークの重みで書かれています。人間はこのコードを書くことに関与していません。なぜなら、多くの重み(一般的なネットワークは何百万もあるかもしれません)があり、重みの直接のコーディングは人間には難しいです。代わりに人は機械学習用のデータセットを準備したり、コンピュータリソースを準備することである。
この作業は、明示的にプログラムを書くよりもはるかに簡単である。

ただし、ソフトウェア2.0はソフトウェア1.0を置き換えることはありません。しかし、Software 1.0が現在担当している部分のうち、多くをソフトウェア2.0が占めるようになります。

記事では具体的にソフトウェア2.0へ移行が進行しているサービスについて、視覚認識技術や音声認識技術、機械翻訳などの例について書かれています。

確かに今年の「Adobe MAX 2017」で発表された人工知能を使った画像処理の発表は凄かった!

人工知能Adobe Senseiの画像処理が凄すぎてAdobe MAX 2017の会場は狂喜乱舞に – ICS MEDIA

すでに人が手作業で行うよりも早く正確に処理できます。(Adobeの例はソフトウェア業界というより、デザイナー業界に大きな変革をもたらす話しなので、今回の趣旨とはズレますが。)

また本記事にはソフトウェア2.0のメリットについても書かれています。

  • 計算結果が均一
  • ASICへの焼き付けが簡単
  • 実行時間が一定
  • メモリ使用量が一定
  • 計算が速い
  • モジュールを最適に融合可能
  • ピックアップするのが簡単
  • あなたよりも優れている

確かに他のメンバーからコードを引き継ぐ場合は、別のシステムにコードを移植する場合、ソフトウェア1.0の場合は多くの工数をかける必要がありますが、ソフトウェア2.0であれば必要なデータセットとパラメータがあれば事足りるわけで、必要な工数は段違いかもしれません。

ITマネジメントの8つの大きな間違い

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ITマネジメントの8つの大きな間違い

ITマネジメントの8つの大きな間違いという記事がありました。

Sure, nobody’s perfect. But for those in charge of enterprise technology, the fallout from a strategic gaffe, bad hire, or weak spine can be disastrous. Here’s how to avoid (or recover from) big-time IT leadership mistakes.

via:The 8 biggest IT management mistakes | CIO

長文だったので超要約です。

ベンダーのロックイン

ベンダーは低価格と無限のサービスであなたの会社に入り込む。しかしいったんあなたを支配したら、彼らは決してあなたを話さない。

ほとんどのベンダーは自身のビジネスを拡大しようとし、深くあなたの会社に入り込み、IT資産と価格競争力をコントロールしてくる。

ベンダーロックインは悪いことでなく、同一ベンダーから製品を購入すると、スムーズなシステムの移行が可能になる。

データセンタを拡張するかのごとくクラウドを利用する

プライベートクラウドからパブリッククラウドに移行して始めて気付くのが、パブリッククラウドの信頼性の低さである。パブリッククラウドの稼働時間が99.999%と言われているのは、障害発生時の影響時間が短いから。クラッシュは意外に多く発生している。

そのためシステムをプライベートクラウドからパブリッククラウドに移行する際、システムを移行するだけではなく、考え方とアプローチも移行しなければ、パブリッククラウドを有益に使えない。

ビジネスケースをオーバーエンジニアリングする

大規模なIT投資を承認してもらうためには、さまざまな数字の集計や大量の資料の作成など、準備に何週間も費やすことになる。しかし実はCFOはそれらの数字はどれも信じておらず、提案を任せられるリーダーがいれば承認してしまうものである。

つまり、情熱的なリーダーの協力を得られなければ、どれだけオーバーエンジニアリングな準備をしても無駄に終わるだけである。

スキルレベルの低い人材の採用

企業の成功にはチームが必要だが、一人の無能な従業員が、すべてに悪い影響を与えてしまう。「IT管理者がもっとも大きな間違いを犯すのは、彼らよりも利口とはいえない人材を雇うことである。」

間違った人材を昇進させる

長く使えている従業員の努力に報いるために昇進させたり、部下に良い上司だと思われたいために昇進させることは会社にとって悪い影響しか与えない。また開発者は必ずしも管理者になりたいと思っているわけではないことも理解する必要がある。

いずれにしてもマネージャは社内候補者を賢明に選ぶ必要がある。

コアシステムにアジャイル手法を適用する

クラウドサービスが爆発的に増加し、ビジネス速度の要求が高まるにつれてアジャイル手法が導入され、CIOが組織のITの多くがコントロールできなくなってきている。

しかし企業のコアシステムにアジャイル手法を導入することは、悲惨な影響を及ぼすリスクがある。社内のコアシステムに必要なのはアジャイルではなく、強力で厳格な開発手法である。

言うのは簡単だが、ビジネス速度が要求され、かつ慎重に開発しなければならないという2つの要求を実現することは非常に困難で大きな課題でもある。

頻繁に「Yes」と言うこと

上司に対して技術イノベーションに「No」というと批判されてしまう。

クラウドストレージやSaaSソリューションなどのツールはチームに大きなメリットをもたらす可能性があるが、IT管理者は全ての例外要求を承認すると、組織内に新たな脆弱性や潜在的な新たな脆弱性を生み出す。

簡単に「Yes」というのではなく、「あなたがこれをやりたいのであれば、我々はあなたを助けるが、リスクや課題もある」ということを理解してもらう必要がある。

隠れた問題

大きなプロジェクトが失敗に向かっている時、上司が気付く前に現場で修正しようとして、逆に悪化させてしまうことがある。

「悪いニュースをすぐに公開すればするほど、より良い事ができる。」ということを忘れてはいけない。悪いニュースは決してそれ以上によくならないからだ。それよりも、より早く人々がそれに対処し始めると、プロジェクトが再軌道に乗る可能性が高くなる。

悪いニュースを届ける事は決して簡単な事ではないが、ビジネスリーダと良好な関係を築いて維持していれば、よりスムーズに認められるだろう。


たった15秒のホラー映画

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正月にネットを徘徊していたら15秒のホラー映画チャレンジ シーズン3というネット上のイベントを見つけた。

ようは15秒の動画で視聴者をどれだけ怖がらせられるかを競い合うイベントなのだが、これが予想以上に面白かった。

ランキング上位の動画を張っておきます。

3rd – Free Fallin | 15 Second Horror Film Challenge 2017

2nd – Daddy Daughter Day | 15 Second Horror Film Challenge 2017

1st – Emma | 15 Second Horror Film Challenge 2017

1位の動画はどこかで見たことがあるなぁと思ったら、シックス・センス(The Sixth Sense)のシーンをオマージュしているっぽい。

投資家フレッド・ウィルソン氏の2017年テクノロジー業界予測を振り返る

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投資家フレッド・ウィルソン氏の2017年テクノロジー業界予測を振り返る

2017年の1月に投資家フレッド・ウィルソン氏の2017年テクノロジー業界予測という記事を紹介しました。

そのフレッド・ウィルソン氏が2017年を振り返った記事を上げていましたので紹介。

As has become my practice, I celebrate the end of a year and the start of a new one here at AVC with back to back posts focusing on what happened and then thinking about what might happen.

via:What Happened In 2017 – AVC

以下要約です。

暗号に関して

暗号に関しては今年はまさにブレークアウトの年だったが、私は言及さえせず完全に空振りだった。2017年は暗号/ブロックチェーンが熱狂的な領域に突入した。インターネット3.0(分散型インターネット)のインフラを構築するために、大量の資本が投入された。

白人男性優位の終わりの始まり

米国の2017年の大きな話は、白人男性優位の終わりの始まりだった。これは技術の話ではないが、技術部門はその影響を受けている。この要因が2016年後半に米国の大統領としてドナルド・トランプが選出されたことと関係していると思う。彼は白人男性優位の典型である。トランプは悪びれない(実際に大言壮語)セクハラ指導者である。

技術への反発(Tech Backlash)

2017年の予測はあまり当たらなかったが、その理由は認識している。Techは新しいウォールストリートであり、パワーが強く共感が足りない人と触れ合うことのできない人がいっぱいです。私は、多くの足を持つ何かの始まりを見ていると思う。人間は機械によってコントロールされる事を望まない。そして、我々はますます機械によってコントロールされている。我々はスマートフォンに夢中で、我々が理解できないアルゴリズムによって情報が与えられ、ロボットに仕事を奪われる危険性がある。これはおそらく、今後30年の物語になるだろう。

我々はこれにどのように対処するのか?

  • あらゆる人がコンピュータ・リテラシーを持つ。
    つまり、誰もがGitHubに参加し、プログラムを読んで、それが何をして、どのように働くかを理解する。
  • オープンソースとクローズドソースのソフトウェアを比較することで、どのようにアルゴリズムが我々の生活をコントロールしているかを把握する。
  • 我々が自分のデータをコントロールし、APIキーで我々が使用するデジタルサービスなどを使えるようにできる個人データの主権。
  • 21世紀に平和的で根本的な変化を可能にする皆にとっての保険制度となる社会のセーフティーネットを構築する。

投資家フレッド・ウィルソン氏の2018年テクノロジー業界予測

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投資家フレッド・ウィルソン氏の2018年テクノロジー業界予測

投資家フレッド・ウィルソン氏の2017年テクノロジー業界予測を振り返るに続いて、フレッド・ウィルソン氏の2018年のテクノロジ業界予測がアップされてました。

This is a post that I am struggling to write. I really have no idea what is going to happen in 2018.

via:What Is Going To Happen In 2018 – AVC

ひとことでまとめると、2018年は不確実性に突入したというところでしょうか。

以下要約です。

これは私が書くのに苦労している投稿です。私は2018年に何が起こるか分かりません。

暗号マーケットは上昇サイクルを続けるか?

私は見当もつかない。私は娘の友人に貯蓄と投資に役立つアプリを見せていた。彼は「私には必要無い。毎週イーサリアムを買うだけだ」と言った。
私は「終わらない限り良い計画だね」と言った。私は暗号通貨(仮想通貨)を買うことが良いアイデアではなくなる時期がわからない。少なくとも2017年はとても素晴らしい年だった。

経済は8年間の拡大を続けますか?

私は見当もつかない。第2次世界大戦後の最長の経済成長は、1991年から2001年までの10年間であった。この拡大を打ち破ることができるだろうか?多分そうなるだろう。もう1つのテクノロジーバブルの崩壊でこれも破裂するだろうか?多分そうなるだろう。しかし、私はそれがいつ来るか分からない。

トランプの税金控除から生じる法人税減税は、雇用と投資の増加につながるか、あるいは単に現金を預け入れるか配当で支払うことになるのだろうか?

両方の可能性がある。しかし、私はウォールストリートが大幅に収益の増加に値していると思うので、2018年の税制上の措置が株式市場の恩恵になるだろう。

現在のインターネットの寡占(アマゾン、アップル、Facebook、Google)は、残りのセクターからシェアを引き継いでいくのだろうか、あるいは1つ以上が揺らぐだろうか?

私は後者を見たいと思っていますが、前者になるだろう。

大規模な成長ファンド(ソフトバンク、セコイアなど)の登場により、IPOをさらに遅らせる最善のテクノロジー企業が生まれるだろうか?

論理的な答えは「イエス」だが、答えは「ノー」だと思う。私たちは、ポートフォリオの創業者が企業を公開するという欲求が増えているからだ。

私が昨日書いた技術への反発は引き続きエスカレートしますか?

イエス

テクノロジーのジェンダーと人種の多様性が増えるのでしょうか?

イエス

トランプは2018年末時点で大統領でしょうか?

イエス

共和党は中期選挙で議会の支配を失うだろうか?

イエス

北朝鮮との戦争を回避するだろうか?

私はそう確信している。

VIRLで動作することが出来る、Cisco以外の仮想OS一覧

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ciscoのVIRL上で利用出来る仮想OS

Ciscoルータを仮想的に構築できるシミュレーション・ソフトウェアである、VIRLはCisco仮想OSだけではなくサードパーティ製の仮想OSも乗せることができます。(VIRLについては、「CiscoのVIRLを試してみた。」参照)

どのサードパーティをVIRL上に乗せることができるのかを調べたので、自分のためにメモ残しておきます。何も考えずにVIRL上で動作させることができるものもあれば、パッチやスクリプトをあてないと動作しないものもあるようです。

よりよいマネージャになるための「マネージャハンドブック」

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チーム運営を効率良く行うためのWebサービスを展開しているTeambitが、よりよいマネージャになる方法に関する記事をまとめたサイトを公開していました。

Manager Handbook is a curated collection of the best articles about how to be a better leader.

via:Manager Handbook

記事は次の7つのカテゴリに分けてまとめられています。

  • よりよい1on1の方法
  • メンバーの成長を助けるための方法
  • メンバーを理解する方法
  • リーダーとして成長するための教訓
  • よりよいチームを構築する方法
  • 問題を解決するためのヒントとテクニック
  • メンバーからの意見を吸い上げる方法

掲載されている記事はどれも興味深いですが、特に気になった記事を軽く紹介します。

How Regular One-on-One Meetings Saved Our Company Culture
1on1ミーティングが企業文化をどのように熟成させていくかを解説した記事です。1on1は、短期的な効果は薄いが、企業を長期的に成長させるためにとても重要だと説いています。1on1を継続して実施することで、「文化」「戦略」「目的」「信頼」「従業員の幸せ」「自己改善」の6つのカテゴリに変化があったとのこと。
1on1を効率良く行うためのヒントも記載されていて、長めの記事ですが読む価値があると思います。

A Manager’s FAQ – Always Be Helpful – Medium
優れたマネージャになるための効果的な質問の紹介記事。

質問は次の10個。

  • How do I get employees to perform better?(従業員のパフォーマンスを向上させるにはどうすればよいですか?)
  • How do I give negative feedback?(否定的なフィードバックをどのように伝えますか?)
  • How do I decide what to delegate?(委任する作業をどのように決めていますか?)
  • How should I prioritize?(どのように優先順位を付けていますか?)
  • How should I grade employees?(従業員をどのように格付けしていますか?)
  • When do I fire somebody?(いつ誰を解雇しますか?)
  • How do I fire somebody?(どのように解雇しますか?)
  • Why can’t I just tell people what to do?(なぜ何をすべきかを伝えることができないのですか?)
  • How do I know if I am a good manager?(良いマネージャかどうかをあなた自身は知っていますか?)
  • How do I know if I have good management team?(良い経営陣かどうかを知ることができますか?)

記事では、eSharesのCEO自身の回答も書かれていてとても参考になります。

Making work delightful – The Product Co-op – Medium
楽しく仕事をするための14のアイデアが紹介されています。「盛大にお祝いする」や「ビデオを作る」「パンを焼く」など、すべてのアイデアをそのまま取り入れるのは難しいかもしれませんが、アイデアの1つとしてとても参考になります。

How to manage employees who work from home — Quartz at Work
リモートワーカを効率良く管理する5つの方法が紹介されています。「明確なゴールを設定する」や「適切なツールを準備する」、「定期的なコミュニケーション時間を設ける」など実践的で、リモートワーカを部下に持つマネージャは参考になるかと思います。

Geoff Huston氏による2017年のBGPルーティングレポート

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APNIC Chief ScientistのGeoff Huston氏が2017年のインターネットでのBGPルーティングに関する状況をレポートしていました。

It has become either a tradition, or a habit, each January for me to report on the experience with the inter-domain routing system over the past year, looking in some detail at some metrics from the routing system that can show the essential shape and behaviour of the underlying interconnection fabric of the Internet.

via:ISP Column – January 2018

以下気になった点を記載しておきます。

2017年の状況

  • IPv4ルーティングテーブルは2011年からIPv4の枯渇を理由に供給を制限しているが、グラフを見る限りプレフィックス数の増減率に変化はない。この理由としては、IPv4アドレスの効率的な使用が進み、結果的にプレフィックスが細分化されていることが分かります。
  • IPv6ルーティングテーブルでは、「/48」のルーティング広告がもっとも一般的なプレフィックスサイズであり、テーブルの90%は「/48、/32、/40、/44、/29、/36、/46」で構成されている。
  • IPv4のBGPアップデート数と収束時間は安定しているが、IPv6はどちらも増加傾向にある。

2018年予測


IPv4 BGPテーブル数予測


IPv6 BGPテーブル数予測

まとめ

2017年の状況を見る限り、BGPルーティングには重大なアラームは無く、まだまだ現役でやっていけそうな雰囲気。

「TrimPCAP」キャプチャしたパケットを指定したサイズにトリミングしてくれるツール

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インフラエンジニアにとって、障害解析等でパケットをキャプチャすることはよくあります。

特に通信のセッションに関連する不具合などはパケットをキャプチャして解析しないと、なかなか原因を特定することが難しいです。

ただ問題として、キャプチャしたpcapファイルのサイズがとても大きくてストレージを圧迫してしまうという点です。
特に長時間キャプチャするような場合、それだけでストレージを圧迫してしまうことも考えられます。

そのような場合に便利なツールが、今回紹介する「TrimPCAP」です。

パケット・トリミングの手法はいくつかありますが、一般的な方法はパケットごとに先頭から指定したサイズにトリミングして、ファイルサイズを削減する方法です。

今回紹介するTrimPCAPは、TCPやUDPのセッションごとにセッションの開始から指定したサイズのセッションまでを残し、それ以降のセッションを削除する方式のようです。

この手法を採用した理由として、一般的に各セッションの開始時にHTTPのGET要求などがあり、障害の切り分けには最初のセッションを確認すればよく、それ以降のセッションは解析には不要だという考えに基づいているようです。

インターネット上には「Elephant flow」と呼ばれるサイズの大きなセッションが多いため、この手法を取り入れることでpcapファイルのサイズを大幅に削減できるとのことです。

パケット・トリミング機能は、高価なキャプチャ装置にはありましたが、フリーツールで提供しているのは珍しかったので早速試してみました。

TrimPCAPのインストール

TrimPCAP – Reduces PCAP dataset sizeからTrimPCAP本体をダウンロードします。

動作要件は以下の通りです。

  • Python 2.6 or 2.7
  • トリミング可能なファイル対応は「pcap」および「pcapng」
  • dpktモジュール
  • repoze.lruモジュール

dpktモジュールとrepoze.lruモジュールをインストールします。

pip install dpkt
pip install repoze.lru

早速試してみる

適当にWiresharkでパケットをキャプチャして、pcapファイルで保存します。

~/
❯ ll test.pcap
-rw-r--r--@ 1 itbook  staff   7.6M  1 15 12:08 test.pcap

トリミング前のファイルサイズは7.6Mでした。

セッション開始から100kBでトリミングしてみます。

~/
❯ python trimpcap.py 102400 test.pcap
Trimming capture files to max 102400 bytes per flow.
Dataset reduced by 40.93% = 3248733 bytes

上記サイズでトリミング時間は3秒ぐらい。結果、ファイルサイズを41%削減できたようです。
トリミング後のファイルサイズは次のとおり。

~/
❯ ll test.pcap
-rw-r--r--  1 itbook  staff   4.4M  1 15 12:53 test.pcap

トリミング後のpcapファイルをWiresharkで開いて確認しましたが、エラーもなく開くけましたし、セッションの後半部分のパケットが削除されていることも確認できました。素晴らしい!


NVIDIAのGPUがバカ売れで販売枚数を制限する

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GPU業界で一人勝ち状態のNVIDAが、暗号通貨のマイニング用途でバカ売れしている模様。

Nvidia, the company that has long catered to gamers, has recently requested retailers to restrict graphics cards availability to the non-gaming community. Specifically, away from cryptocurrency miners.

via:Crypto miners beware, Nvidia wants to keep GPU in the gaming industry

あまりにも売れてしまい、GPUの生産が追いつかず市場で高騰を引き起こしているようです。2017年4月から現在までで、GeForce GTX 1050 Tiが27%の価格上昇、GeForce GTX 1060 3GBが86%、GeForce GTX 1060 6GBが89%、GeForce GTX 1080 Tiが59%の価格上昇となっているとのこと。

NVIDIAはGPUはゲーム市場を最優先とし、そのためにもGPUの販売を顧客一人につき2枚までの制限を小売業者に提案したとのこと。

そんなホクホク状態にNVIDAさんの株価は以下のようになってます。


NVIDIA Corporation – Yahoo Finance

株価が2年で5倍になっていますが、この勢いはまだまだ続きそうです。

Ciscoがセキュアなハイパーコンバージド・プラットフォームを提供しているSkyportを買収

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Skyport

Ciscoがセキュアなハイパーコンバージド・プラットフォームを提供しているSkyport Systemsを買収したというニュースがありました。

Cisco announced its intent to acquire Skyport Systems, Inc., a start-up based in Mountain View, California that offers “hyper-secured” servers for delivering trusted computing and policy enforcement at the application edge.  Financial terms were not disclosed.

via:Cisco to acquire Skyport for ultra secure servers ~ Converge! Network Digest

Skyportが提供している製品は、簡単なデプロイで高セキュリティを確保できるプラットフォームを提供しています。

プラットフォームはオンプレで、管理はクラウド上から行う製品のようです。

SkyportのSkySecureプラットフォームとCisco ACIのInteroperabilityは2016年に発表しています。

Googleを辞めたエンジニアによるGoogle批判

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Googleに13年務めてたSteve Yegge (スティーブ・イエギ) が、Googleを退社してGrabというシンガポールのスタートアップに転職したようです。

退社を機に、「Why I left Google to join Grab(なぜGrabに参加するためにGoogleを辞めたのか)」という記事を公開しています。とても興味深い内容だったので簡単に紹介します。

After nearly 13 years at Google, I have finally left the nest! Never thought it would happen. I always thought I would die at Google — maybe choking to death on one of their free chocolate brownies, or maybe finally having a heart attack over YouTube’s increasingly bizarre policy enforcement.

via:Why I left Google to join Grab – Steve Yegge – Medium

彼がGoogleを辞めた理由として、Googleはもはや革新的ではなくなってしまったからとのこと。その要因として次の4つを挙げています。

保守的になってしまった

自分が得たものを守る事に集中していて、リスクを冒すことや真のイノベーションを恐れている。

政治活動に没頭してしまった

政治は厄介なプロセスであり、スピード感が消失し、実行の問題にもつながっていく。

傲慢

謙虚な人でいっぱいの会社でも、傲慢な会社になれることを理解するのに何年もかかった。
Googleのように劇的な成功を遂げた企業は、自己満足症候群、自社開発主義症候群(自社開発の技術ではないという理由で採用しない)にかかり、貧弱な戦略的意思決定をとり、顧客との接点を失ってしまう。
Googleは多くのサービス(Google+やReader、Hangoutsなど)を展開してきたが、10年近く成功していない。

顧客中心ではなく競争相手に100%集中している

これが最も最悪なこと。社内のスローガンでは「Focus on the user and all else will follow.」を掲げているが、残念ながら単なるリップサービスになっている。これはGoogleのインセンティブ構造が顧客中心になるように調整されていないから。
Googleは全ての従業員が顧客と対話するため、定期的に時間を確保する代わりに、競合他社の動きを顧客が本当に必要とするものの代用品として使うという危険ではあるが簡単なゲームをしている。

Googleは、消費者に支持される機能や製品を始めることを奨励しているが、これを実現する最も簡単で安全な方法は、競合他社をコピーすること。過去10年間でGoogleが立ち上げたポートフォリオ全体を見ることができるが、そのほとんどすべては競合他社をコピーしたもの。
Google+(Facebook)、Google Cloud(AWS)、Google Home(Amazon Echo)、Allo(WhatsApp)、Android Instant Apps(Facebook, WeChat)、Googleアシスタント(Apple/Siri)などなど。

彼らはもはやDNAの中にイノベーションを持っていない。そして、彼らの目は顧客ではなく競合相手に向いている。

確かにかなり昔のサービス(GmailやGoogle Maps、Google Drive)は今でも便利に使ってますが、最近ローンチしているサービスはまったく使ってないなぁ。
顧客の方ではなく競合の方を向いているという点は確かに納得感ありますね。社員レベルで見れば非常に優秀なエンジニアが多くいるのでしょうが、会社というバスが向かうべきゴールを見失って蛇行運転している状態のように見えます。

Yahoo! JAPAN Tech Conference 2018参加メモ

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Yahoo! JAPAN Tech Conference 2018

Yahoo! JAPAN Tech Conference 2018に参加してきたので個人的メモ残します。すべてのセッションに参加したわけではなく、インフラ関連のセッションのみ参加しています。

データセンターネットワークの取り組みと大規模サーバインフラの戦略

村越さん

プロダクションネットワークを担当。

ネットワーク概要

  • バックボーン
  • CDN
  • DCネットワーク

上記全てを見ている

機器台数は、サーバーが8万台、スイッチが7500台、ルータが70台ぐらい。

バックボーン

  • 四つのDCを繋ぐ
  • 東と西でAS分けて、それぞれにインターネットの出口がある
  • CDNも二箇所

トラフィックはだいたい500Gbpsぐらいで、お昼が一番多い。トラフィックの内訳は動画が7〜8割。トラフィック増に対する対応は機器のスケールアップで対応。

■DCネットワーク
TORのトラフィックは1.5Tbpsとか3.6Tbpsとかで、全拠点で10Tbpsにもなる。East-Westトラフィックが多い理由は、ストレージ分離とかが普及してきたから。
East-Westトラフィックが増加しているのはYahooだけではなく、OTT全般に見えている。次のグラフはFacebookのDC内トラフィックグラフ。


Facebook Gives Lessons In Network-Datacenter Design

これに対応するためにクロスファブリックネットワークを導入した。

データセンタネットワークの取り組みとFacebook Backpack – Yahoo! JAPAN Tech Blog

データセンターネットワークの取り組み

  • 自動化
    Home grown + OSS + Apstra
  • ソフトウェア
    EOS + Cumulus + NX-OS/Junos
  • Chip
    Broadcom + カスタムASIC
  • BOX
    Arista + Cisco + Juniper + Whitebox
デザイン

現在はコアスイッチでACL書いているが、最大で11万行になってる。そこで、Iptablesベースのシステムを開発中。

BOX

昔はメーカーをマルチベンダーにして信頼性を確保していたが、今はチップベースでダイバーシティしている。

自動化

自社開発で自動化しているが、配線ミスや予兆検知ができていない。そこでApstraを導入している。

藤見さん

サーバインフラ概要

  • メンバー10人とパートナー数十人で対応
  • 運用しているサーバは10万台
  • モデルの種類は80くらい
  • パーツ単位だと20万ぐらいになる

台数が多いので一台レベルで最適化するのではなく、全体最適化するようにしている。(型番を減らすとか)

OCP

サーバは二種類で一般的なラックマウントサーバーとOCP。一般的なやつは全体の80%ぐらいで、残りの20%がOCPで1000台ぐらい導入している。

OCPのメリット
  • 物理運用
    フロントオペレーションで背面に移動する必要がない
  • パーツ選定
    ベンダのポリシーに影響を受けない
  • IPMI/SEL
    独自フォーマットがなく、OCP準拠
Yahooで導入しているOCPサーバ

戦略的パートナー

  • サーバベンダ
  • パーツサプライヤー
  • ディストリビューター

全部で約30社のパートナーとやりとりしていて、提案を受けるだけでなくこちらから逆提案もしている。(ラッキングレールの提案とか、パーツの提案とか)

将来の取り組み

  • 自立したサーバインフラへ
  • 主体的にパーツ選定
  • 故障率等の統計を活用して、不要なサポートを削減していきたい

Yahoo! JAPANを支える開発基盤 PaaS

甲斐さん

paas概要

  • OSSのcloud foundryを採用
  • ポイントは動作環境を選ばないとか拡張性が高いとか
  • CI/CDはconcource採用
    Cloud foundryとの相性が良い

なぜPaaS?

  • サービスを今よりも10倍開発したい
  • 社内のサポートや基盤の共通化

これからのPaaS

  • 導入して三年経った
  • 今後はさらにクラスタやrpsを増やしていきたい

Joshuaさん

複雑さと自律性について文化的な側面から語ってみる。

  • なぜクラウドネイティブ?
    ゴールは自動化

ただ実現は難しい。

「No plan survice contact with the enemy」

そこには人が介在しているから。そのため組織の変革が必要。

半自律型チーム

  • なぜやるのかをみんなが理解している状態が重要
  • 完璧ではなく十分
  • 「半」なのが大事。完全は簡単。でもそれではダメ。

Experimental mind

  • 完璧な計画なんてない
  • 失敗を前提に置く
  • 振り返ることが大事
  • これからも常に学んでいかなければいけない。

これからひつようなスキル

  • コードを書くことだけでは重要ではない。
  • 「聞いて」「話して」「コード書いて」「学んで」「振り返る」ことが大事

これからはスピードが重要。
だからこそ完璧ではなく、十分だということを受け入れること。
この先、そのサービスを上回るものが生まれる。でもそれで良い。

タスク管理の目的ってなんだっけ?

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タスク管理ツール

つい最近知ったのですが「Wunderlist」が開発終了するらしいじゃないですか。ずっと使っていたツールなので寂しいですが、これは早めに他のToDoツールに乗り換えなくちゃなぁといろいろと探してみると、それぞれ一長一短あってこれがなかなか選定が難しい。

で、これは今までの使い方を見直して、本当に必要な機能を洗い出す必要があると感じ、今回改めて「そもそもタスク管理の目的って何だっけ?」というそもそも論を考えてみたのでせっかくなので書いてみた次第。

タスク管理とは

タスク管理ツールは、必要な作業を整理してリスト化し、それを維持するためのツールです。つまり私が毎日何をしているのかは、そのリストを見ればある程度把握できるということ。

リストにタスクがあれば、そのタスクを完了させるか、完了させるためのアクションを起こします。新しく処理しなければいけないことが出てきたら、すぐに処理する必要があるものは処理して、そうではないものはリストに追加します。

もちろんタスク管理ツールがなくても、自分の判断で今すぐ処理するものとそうではないものを選別し、優先度の高いタスクから処理をすることだってできる。でも、そのタスクが膨大になればなるほど、タスクを忘れたり優先度よりもその場にあるタスクを処理してしまうことがあるかもしれない。

私がタスク管理ツールを使っている理由は、単純にタスクを処理することではない。正しい順序で、時間通りに、忘れることなくタスクを処理したいから。その方が効率的だし、なにより気分が良い。

誰もが自分をコントロールすることは重要だと思っているが、タスク管理を中心とした日々の活動は賛否両論あるようなので、もちろん強制するつもりはない。

タスク管理ツールを使うことによるメリット

タスク管理ツールを使えば次のようなメリットが期待出来る。これらのメリットを最大化できるタスク管理ツールが欲しい。

忘れない

常にすべてのタスクを覚えておくことはできないが、完了させなければいけないタスクは確かに存在している。「次に何をしなければいけないか」を確認することはもちろん、自身のゴールに戻るためにもタスク管理ツールをチェックする。
特に忘れがちな数多くの小さなタスク(例えば、明日までにコンビニで支払を済ませるとか)を、タスク管理ツールに書いておけば覚えておかないといけないという心理的負担から逃れることができるのは大きなメリット。

優先順位

タスクによって優先順位が必ず存在している。タスク管理ツールがあれば、簡単にタスクリストに優先順位を付けることができる。

期日

各タスクには期日や予定日を設定する。毎日タスクリストを確認し、ある日までに何をしなければいけないかを判断する。その後「今日」やらなければいけないリストを確認して、今日集中しなければいけないタスクを確認する。

分類

仕事と私生活をいう大きな括りはもちろんのこと、仕事の中のプロジェクト単位でも多くのタスクが存在する。関連するタスクをまとめてグループかして管理すれば、とても効率良くタスク管理を行うことができる。

同期

MacBookやiPhoneなど、いくつかのデバイスを使うため、どのデバイスでも同じタスクリストにアクセスする必要がある。そのためタスクリストはローカルで管理するのではなく、クラウド上で管理できるタスク管理ツールが必須。

集約

タスクリストを確認するだけでなく、カレンダーやメールの受信ボックスなど、毎日チェックしなければいけないアイテムをタスクリストに表示させたい。タスク管理ツールを見れば、その日になにをやればよいのかをチェックできることは大きな利点になる。

コメント

タスクが期日までに完了しない場合や、タスクに詳細な説明を付与したい場合に、コメントを付与したい。これは、自身がコントロールできない理由で、完了が遅れる場合にも役立つ。

タスク管理ツールを使うことによるデメリット

タスク管理ツールを使うことはメリットだけではないことも認識しておきたい。

満足感

最大にして唯一のデメリット。
タスクが完了すると、すべての仕事が終わったという誤った感覚が生まれてしまう。1つのタスクが完了しただけなのに。
長期的なタスクを含めれば、タスクリストがゼロになることは決してないし、1つのタスクが完了したところで人生に大きな影響を及ぼすほどではないんだけどね。

で、結局どのツールがいいの?

つらつらと意識高い系コメントを書いてみたけど、結局のところ「Wunderlist」に変わるツールとして選んだのが、「Todoist」。

理由は上で書いたメリットのほとんどを実現できるのと、操作が直感的なのが気に入った。ただし無料版では無く、有料版じゃないと出来ないことも多い。3500円/年という価格を安いとみるか高いとみるかは人それぞれだが、月300円だしとりあえず1年間使ってみることにした。

ただしカレンダーや受信ボックスの集約はTodoist単体ではできないので、別途「IFTTT」との連携を試してみる予定。

Todoistの詳しいレビューをしようと思ったけど、ここまで書いて疲れたので割愛。ライフハック系のブログでたくさんレビューされているので気になる方は調べてみればよろしいかと。

本日は以上です。

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